ノーマルバイクで打倒TTバイク挑戦日記

ノーマルバイクでTTバイクを超える事が目標 速さを求め(身体を張った?)様々な調査をしている

【インプレ】AmazonでICAN2018モデルFL(ファスト・ライト)ホイールを買ってみた

f:id:jbcf6000-r-s:20181006094010j:plain
AmazonICANホイールを購入したのでインプレッションを書いていきます。


自分の持っている知識の限りを尽くし、詳しく書いてみたのでかなり長くなってしまった。読み終わるまで10分位かかります。ご了承ください。


・選んだ理由


「7万円以下で買えるエアロ形状のワイドリムを使った必要十分の剛性を備えたホイールないかな~」


そう欲張りな考えを持ってネットの海をさ迷っていたら一つのホイールにたどり着いた。
『ICAN2018モデルFL(ファスト・ライト)ホイール』である。


このホイールはAmazonで購入する事が出来るカーボンリムを使った『手組ホイール』であり、値段は送料込みで66585円だった。シマノやマヴィック等大手メーカーの完組カーボンホイールだと余裕で10万円以上するのでそれを考えると破格の値段である。中華カーボンホイールとも言う。


ただ、値段だけでこのホイールを選んだ訳ではない。いくら安く手に入ろうと性能がともなってなければゴミでしかない。まずこのホイールを購入するにあたり、自分はこのホイールのリムの形状に注目した。下の写真をご覧ください。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001132926j:plain
↑2018モデルFL40~55㎜ハイトのリム

f:id:jbcf6000-r-s:20181001132952j:plain
↑スタンダードモデル38㎜ハイトのリム

f:id:jbcf6000-r-s:20181001133007j:plain
↑スタンダードモデル50㎜ハイトのリム


ホイールの空気抵抗で一番重要になってくるのがリムの形状だ。


ICANホイールにはいくつかのモデルがあり、2018モデルFLはブレーキ外幅が25㎜に対してリム最大幅が27㎜~28㎜と膨らんでいる。それに対してスタンダードモデルはブレーキ外幅が23㎜なのだが、リム中間部分に膨らみはなくフラットになっている。


近年の風洞実験している大手メーカーのエアロホイール……スペシャのRovalやマヴィックのコスミックUST等は、どれもブレーキ外幅よりリム中間部分の幅を広げたリムを採用している。もちろんリム最大幅は30㎜近くあるスーパーワイドリムだ。この事からICAN2018モデルFLのリムは空力的に優れているだろうと思った。まずこれがICAN2018モデルFLを選んだ理由の一つだ。


もう一つ選んだ理由がある。それはスポークとリアホイールの組み方が気に入ったからだ。


このホイールに使われているスポークは手組ホイールの大定番『SAPIM CX-RAY』だ。このスポークはとても強度(粘り強さ)が高い事で有名だ。エアロ形状のスポークでもあるので、空気抵抗削減にも一役買っていて、強度も空力も信頼できるスポークであると言える。


組み方に関してはフロントホイールはスポークどうしが交差しないラジアル組。『問題の』リアホイールは駆動側も非駆動側も2クロス(タンジェント組)で組まれている。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001133047j:plain
↑他のスポークと2回交差している2クロス組。ハブは台湾のメーカーNOVATAC。スプロケット噛み込み防止のABG(アンチバイトガード)が付いている。8S~10S用スペーサーも付いている。


今回手組ホイールを購入するのは初めての事なのだが、それゆえに失敗しないよう手組ホイールに関する様々なブログを読み漁り、情報収集をしてきた。そこで見た記事にはどれもこれも『リアホイールの非駆動側ラジアル組は横剛性が低く、乗り心地が悪い』と書いてあった。


自分は空力を最重要視しているので、ホイールの剛性はそれほど気にしてはいないのだが、そう書いてあるのを目にしたらリアホイールの非駆動側ラジアル組は選びたく無くなってしまう。


AmazonではICANの他にも手組ホイールを販売しているメーカーがあるが、見てみるとどれもこれも非駆動側ラジアル組であったので、選択肢から除外した。ICANホイールのスタンダードモデルも非駆動側ラジアル組であったので除外。何よりエアロ形状のワイドリムではない。G3組のモデルもあったけど手組でG3組は地雷臭満載に感じたのでそれも除外。primeホイールやメカニコホイール、さらにはLWC等のホイールも考えたが値段的に予算オーバーだったので除外。消去法で残ったのがICAN2018モデルFLだったってわけだ。


後、リムハイトについてだが、ICAN2018モデルFLにはリムハイトが40㎜と50㎜と55㎜の3種類の中から選ぶ事が出来る。


自分は利便性を考えて40㎜をチョイスした。40㎜であれば今使っているヴェレデスティンのラテックスチューブ(バルブ長50㎜)をバルブエクステンダー無しで使う事が出来て、余分な費用もかからなければ手間もかからない。それとハイトが違う事による空気抵抗の差が思ってた程少なかったのも40㎜をチョイスした理由の一つだ。


SACRAホイールのサイトに同メーカーの最新ホイールである『KYLE』を使った風洞実験の結果が記載してあった。その結果からヨー角0°~12.5°の合計で『38㎜ハイトと50㎜ハイトでは48km/hの速度において出力は2W程しか変わらない』と読み取れた。その下のグラフだと若干出力の差が違ってきているが、40km/hの速度で3W、50km/hの速度で4.5Wの差になっている。ちなみにこの風洞実験にはスペシャのRovalとカンパのボーラのデータも載っていた。詳しくはこちら→http://www.sacra-cycling.com/products/categories/2


38㎜(40㎜)と50㎜とで2~5Wしか出力が変わらないのなら、今まで鉄下駄ホイールである『フルクラムレーシングクアトロLG』を使ってきたので今度は軽いホイールを使ってみようと思った。それが40㎜をチョイスした理由である。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001133122j:plain
↑40㎜ハイトのリム重量は同梱されてたカタログ値で440+/-15gだ。45㎜ハイトもあるみたい?


それと、カーボンホイールにラテックスチューブを使うのは放熱性の観点からNGとされているので、ハードにブレーキングするヒルクライムの下山の時等は使わない方が良いだろう。チューブレス化もする事が出来る。


f:id:jbcf6000-r-s:20181007115900j:plain
↑9月21日に注文して9月30日に届いた。


・ホイールの重量測定、リムテープ・タイヤ装着、バランス調整


一通り選んだ理由を書いたので、リムテープとタイヤを装着し、ホイールバランスを調整していく。まずは重量の測定から。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001133231j:plain
↑フロントホイール重量(リムテープ無し)


f:id:jbcf6000-r-s:20181001133257j:plain
↑リアホイール重量(リムテープ無し)


f:id:jbcf6000-r-s:20181001133315j:plain
↑付属のリムテープ


f:id:jbcf6000-r-s:20181001133403j:plain
↑クイックリリース


↑軽量化の為にリムテープは付属の物を使わず『NoTubes YELLOW RIM TAPE(21㎜)』にした。ひと巻きでたったの5gしかない。


f:id:jbcf6000-r-s:20181006094055j:plain
↑タイヤは対パンクベルトが入っていながら軽量で転がり抵抗が非常に低い『コンチネンタルGPTT』を選んだ。サイズは23Cで二つ買って実測175gと176gだった。ウイグルで買うとめちゃくちゃ安い!


f:id:jbcf6000-r-s:20181001200301j:plain
↑6berで実測26.3㎜。ワイドリムに23Cタイヤを付けると26㎜程に膨らんでしまう。フレームによってはチェーンステーに擦れてしまうので注意が必要だ。タイヤレバーを使ったが、キツ過ぎてはめにくいなんて事はなかった。


リムテープとタイヤを付け終わったら、振れ取り台で振れとテンションを調整。特にリムが歪んでいたり、バリがあったり、一ヶ所だけテンションが低いなんて事はなかった。その後ホイールバランスを調整していく。ホイールバランスを調整する為に使ったウェイトはこちらだ↓

Tabata(タバタ) ゴルフメンテナンス用品 ウエイトバランスプレート 2.5g GV-0623

Tabata(タバタ) ゴルフメンテナンス用品 ウエイトバランスプレート 2.5g GV-0623


ホイールバランスの調整は振れ取り台でやった方が楽だが無くても出来る。バイクを逆さまにして、フロントホイールではクイックを緩めて空転させ、一番上にきた所が一番軽いので、適切なウェイトを貼っていく。


f:id:jbcf6000-r-s:20181004192908j:plain
↑各箇所に適切な重量のウェイトが決まるまではこのように直ぐに取れるような張り方をすると良い。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001200504j:plain
↑アルミクリンチャーのクアトロLGの時は合計5g以内のウェイトで調整出来たが、カーボンリムとなるとかなりのウェイト(10g以上)が必要になってくる。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001201007j:plain
↑リアホイールは写真のようにギアをアウタートップにした後、スプロケットをチェーンから外して作業する。やり方はフロントの時と同じだ。スピードセンサーマグネットは付けた状態で作業しよう。


ここで一つ問題が発生した。リアハブの回転がかなり渋いのだ。フロントはスルスルと良く回ってくれるのだが、リアはそうはいかない。空転させても直ぐに止まってしまう。このままだとバランス調整が出来ないので『5㎜アーレンキー2本と10㎜アーレンキー1本』を使って解体した。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001135926j:plain
↑かなりキツく締まっていたので緩く締め直したら回転が良くなった。フロントと比べたらまだ渋いが……。


f:id:jbcf6000-r-s:20181001140134j:plain
f:id:jbcf6000-r-s:20181001140228j:plain
↑グリスはたっぷりと封入されていた。


バランスが整うと、どの地点でもピタッとホイールが回らずに止まる。ウェイトを張る前にホイールを思い切り空転させてみたら物凄い振動だったが、バランス調整した後は振動はほぼ無くなっている。


・実走


さて、準備は整った。実際に走ってこのホイールの性能を確かめていく。尚、自分はカーボンホイールを使うのが初めてである。今までは、クアトロLGの他にレーシングゼロやキシリウムエリート等を使ってきた。それらとの比較になるのでご了承ください。

・加速
クアトロLGと比べたら格段にかかりが良い。キシリウムエリート程ではないにしろ、レーシングゼロと同等の加速性能だなと感じた。恐らくレーシングゼロとリム重量が同じ位だからだと思う。

・巡航
無風や追い風の時はクアトロLGとの差は感じられなかったが、向風や横風の時は楽に感じた。エアロ形状のワイドリムのおかげだろう。風に煽られてハンドリングが難しくなるような事もなかった。

・ハブの回転
バランス調整の時、リアハブの回転がかなり渋く「これ実際に外を走ってみて脚を止めたら直ぐに失速するのでは……」と懸念を抱いていたが、そのように直ぐに失速するような事は無く良く回ってくれた。そもそもハブ(ベアリング)の性能が出力に及ぼす影響は他の抵抗に比べたら微々たるもの。ちなみにラチェット音は爆音だ。

・スプリント
スプリントした時に「これはやわらかくて剛性不足だな~」と感じた事はなかった。自分の最大出力は1000Wをちょっと超える位だが、なんら問題なかった。横剛性を確かめる為にブレーキシューの隙間をタイトにしてもがいててみたが、シュータッチする事はなかった。

・上り
ヒルクライムはしていないのでなんとも言えない。短い上りは試したが、特に後ろに引っ張られるような感じはしなかった。クアトロLGと比べるとリム重量が圧倒的に軽いので、ダンシングでぐいぐいと前に進んでいく。

・振動吸収性
これは衝撃的だった。小さな段差を乗り越えた時、アルミクリンチャーだとガツンと衝撃が来るが、このホイールだとそれがなかった。やたらと乗り心地が良い。思わず「ええっなんだこのホイールは!?」と口から漏れた程。今までアルミクリンチャーを使ってきて初めてカーボンホイールを使ったからそう感じたのだろう。

・ブレーキ性能
ウェットコンディションの時に試した事はないが、ドライコンディションの時は普通に効く。しかし、アルミクリンチャーと比べると効きが弱い。付属のシューを使ったが、シューを変えたらブレーキの効きが改善するかもしれない。カーボンリム用のシュー特有の(?)音がする。


・まとめ


実際に使ってみて「良いホイールだ」「買って良かった」と思っている。中華カーボンホイールには、粗悪品が来たらどうしようとか多少なりとも不安があったが、杞憂に終わった。


今まで完成車に付いてたアルミホイールを使っている人、5万円前後のアルミホイールを使っている人は買って損はしない思う。アルミホイールを上回る振動吸収性と空力、必要十分の剛性を備えたホイールが7万円以下で手に入るのなら安いものだ。レーシングゼロ等のかかりの良いホイールを既に持っているのなら、フロントだけ交換して空力を高めると言う手もありだ。


ただ、手組ホイールゆえに最初の方にも書いたがリムの形状やスポークの組み方等によってはトータルの性能が劣ったりする『可能性』が出てくる。


とりあえず、ホイールの空気抵抗で一番重要なのは『リムの形状』だ。そして、ホイールの剛性を決めるうえで重要となってくるのは『スポークの組み方』だ。この事を頭に入れておいて選んでいけば、手組ホイールの購入で『失敗』をする事は無くなるだろう。